夏あたりから技能実習生が日本に行けるかもしれないというニュースにまた水を差してみる。

今朝も外国人材関連のSNSグループでこちらの記事が盛り上がりました。

 

r.nikkei.com

コロナ封じ込め国及びその可能性が大な国からは検査すれば、隔離しなくても入国していいですよ。対象者は専門家やビジネスマン、技能実習生ですよ。夏からですよ。

という内容です。あくまで日本がコロナ撲滅国にお願いするという内容です。。

うちの会社でも出国できなくて待機している人たちがいるし、私も日本に行きたいので、喜ばしいニュースですが、気になる一文が。

 

”2国間の出入国では双方が同等の入国制限を設けるのが一般的だ。交渉の結果、日本から相手国に赴く際も同水準の手続きになる可能性が高い。”

 

これ、相手国に断られる案件じゃないですか?

コロナ撲滅国と、日本のような共生国では立場が全く違います。

0に何をかけても0ですが、1人でもいれば今日その人が5人に感染させ、その5人がまた5人ずつに感染させ、明日にはその1人+5人+5人が感染させた5x5=25人の人たちがまた5人に感染させとなります。

ベトナムやNZのような撲滅国は海外から入れなければ0が続き、経済もフルオープンですが、隔離もさせないで蔓延国から入国させるリスクを取るとは思えません。

ベトナムもNZも禁断かつ最凶の必殺技ロックダウンを使ってトドメを刺して、経済の犠牲も半端なかったのに、もう一度やらざるを得ない方向に進むとは到底考えられません。

昨日の投稿でも書きましたが、コロナ撲滅国はいろんな国が、「来てください。入れてください」と行列して頭を下げている状態なので、受け入れるか受け入れないかは撲滅国次第です。ボールは撲滅国が持っています

コロナを撲滅したグリーンゾーン国同士を英語で「バブル」といいます。シャボン玉の泡のイメージですが、泡の中にいるうちはシャボン玉は破裂しませんが、外から誰かが入ってこようとすれば破裂してしまいます。そのため、バブルの中だけでの移動は自由となりますが、外からは用意には近づかせようとはしません。

NZが家族や親せきがたくさんいるAUとバブルを形成して行き来を自由にしたり、ベトナムと台湾や韓国がそういう関係を作るという話はあります。

しかしこれに日本が入れてもらえるかどうかは共生ではなく、撲滅の方針を取らない限り無理ではないかと思います。なぜ日本がコロナの死者が少ないのかもわからない状態だし、検査体制や追跡体制を国際社会が納得できるくらいに整える必要があります。

日本国内で「なんとかなってっからいいだろう」という理屈は通じません。日本は欧米から見ればコロナをうまくコントロールできているように見えるかもしれませんが、ベトナムやニュージーランド、台湾などから見ればコロナ蔓延国で、封じ込めるつもりもなく「共生」政策をとっている国ととらえられます。

ベトナムの立場からすれば「日本に行ってもいいけど、日本から絶対来ないでね」というのが本音でしょう。ついこの間日本から帰国した300人中2人が感染していたのは記憶に新しいところです。政府が納得しても国民が納得しないし、いくら共産党とはいえ支持を失うようなことはしないはずです。

日本の立場からすれば「世界がすごいと思っている日本の対策」という立場を崩したくないので、「行ってもいいけど来ないでね」という条件はなかなか飲めないでしょう。

また、この話は日本と4か国それぞれの話ではありません。たとえばベトナムが隔離なしをOKして、NZがダメだった場合、日本から専門家やビジネスマンが隔離なしでベトナムに行けてしまい、そこから知らないうちに感染が広がってニュージーランドにも入ってきてしまう恐れもあります。

これは1国と1国の話だけでなく、ニュージーランドが構想しているといわれているグリーンゾーン国同士の「東半球ブロック」を形成するような大きな話にもなってくると思います。

ベトナムもフーコック島限定でも外国人観光客を誘致して旅行業界を救おうとしているのに、蔓延国から下手に入れてしまえばその話も吹っ飛んでしまいます。

 今回の政府のダメっぷりは驚くほどでしたが、このような外交に対してもマスクや10万円給付と同様にスムーズにはいかないとかんがえています。

 こちらの記事では、6月7月に入国する外国人専門家は全員隔離!という内容です。現在1800人の外国人が隔離中のようです。日本から来たライチを輸出するための専門家も隔離中です。

https://vietnamnews.vn/society/717712/viet-nam-to-continue-quarantining-foreign-experts-entering-the-country.html