みんなコロナの見通しが甘すぎるな
実習生や外国人材に関わる人たちで、結構物のわかっていそうな人たちでもコロナの見通しは楽観的過ぎるような気がします。
私はこのブログでは、超楽観的に考えたとしても10月、悲観的な場合はオリンピック後やそのさらに先と言ってきました。誤算だったのは、日本政府が最初ダメダメでも後からキチッと抑えるところは抑えるだろうと思っていたのですが、GOTOを始めとして、これほどダメだとは思わなかった。
コロナは2月末くらいから、覚悟や方向性を決めるために3月の初めくらいから1日の時間の大半をコロナのことを調べたり考えることに使っていたときもあったため、たぶんコロナの知識は一般人の中ではある方だと思う。
その私が予想する今後の動向として、9月か10月の時点で重症者が多くなって医療リソースが不足するようになって、もう一度命と引き換えに行うような必殺技の非常事態宣言を行わなければならない。
今度はもっと強く、もっと長く。
最低でも3か月。長くて4カ月くらいかけて、感染者を1桁くらいにして、その間に時間稼ぎしている間に検査や隔離の体制を作るのではと思います。
そうこうしている間に、秋から冬の狂暴な第二波が来てにっちもさっちもいかなくなっているかもしれません。
冬の間は日本国民全体が引きこもるのは確実かもしれません。そうこうしている間に春でしょう。
東京オリンピック直前。そんなあたりに外国人労働者が入国できるとも思えないし、数少ないフライトはオリンピック関係者のみとなるでしょう。
東京オリンピックをやるつもりがあればの話ですが、やるつもりがなくなっても春は日本中がそれこそ経済的にもコロナの死者や重症者の後遺症などがあまりにも多く、焼け野原のようになっているのではないかと思います。もちろんなっていて欲しくないが、なっているような気がするなあ。
ベトナムのコロナ対応の早さ
ダナンで土曜日に99日ぶりの感染者が出て、3日後の昨日の0時からロックダウンですからね。政府は負けの象徴であるロックダウンという言葉を使っていませんが、これをロックダウンと言わずに何をロックダウンというか、という内容で、攻撃的ロックダウンですね。
昨日新聞社の方たちと会って、このニュースは書いても本社側に理解してもらえないようです。「1人感染者出てロックダウン?は?」という感じで、どういう記事を書いていいか迷うそうです。
私も昨日、お客さんに面接の予定を伝え、「ハノイで感染者出たら移動制限などでて、予定を変更をお願いするかもしれません」と普通に書いてしまったが、受けてとしては「は?」となるかもしれません。
まあ、コロナの症状ある人が1人いたということは、その背景に数十人数百人が感染していると考えて間違いはなく、実際に数十人は見つかっています。
感染症は早く強くぶっ叩いた方がその後の経済の復活も早くて強いと言われていて、ベトナムはその通りのことをやってきました。
今回も夏休みでようやく国内旅行が復活してきたばかりなのが痛いですが、ダナンにとっても14日間寝て、残りの351日を90%くらいは経済復活させられれば良いと考えているでしょう。
国全体にとってもダナンという地方都市ひとつ14日間で済めば、ベトナム全体でのダメージは少ない。
ラグビーチームの主力に体調の悪いやつがいて、そいつが1年間ずっと体調が悪くて30%の力しか出せないよりも、14日くらい入院してもらって残りを90%くらいまで上げてくれた方が良いのは明白です。
個人の体調にしてもそう。30%の力しか出せない不調のまま仕事に生き続けるよりも、何日か休みをとってスカッとした方が良い。
ベトナムでは人類側の長い攻撃だったけど3アウトで現在コロナ側の攻撃
夏の国内観光で賑わいに賑わっていたダナンでの謎の感染発生はベトナムですらコロナがまだ終わっていないことを思い知らされました。
日本の状況は野球でいえば2回の表でコロナ側が攻撃と西浦教授が言っていましたが、ベトナムはそれが2回の裏になっていて、人類側の攻撃が続いていただけの話だったのでしょう。
ベトナムは政府や国民の力を合わせた攻めの防御ですぐに3アウトをとるはずでしょうが、まだまだ終わっていないのでしょう。
最近は出入国緩和の情報などで外国人材界隈の慎重派の人たちでも期待感がでてきました。検査増やしているから感染者が増えているように見えるとか、重症化していないからいいんだみたいな考えだったりしますが、指数関数的に増えているので、今本当に検査を増やしているから増えているだけに見えても2週間後には実際に増えているだろうし、重症化も時差があるので、若者から年寄りにうつるのに2~3週間、年寄りが重症化するのに2週間とこれもまた時差があるので、気がついたときにはアレっ?となっていることでしょう。
しかもこれから飲食店に休業要請が出るという噂もありますし、GOTOで観光業自体にもトドメを刺したこと、8月9月くらいにはついに資金が続かなくなって倒産する企業が増えてくるということで、年末までに楽観的にみても150~200万人が職を失うといわれていて、悲観的な論では失業率が2倍程度までなるのではとも言われています。
そのような中で日本に行きたい外国人材も、我々業者も希望が持ててはダメかという気持ちに変わりの連続で数年が経っていくのではと思います。まあ、数年も持たないでしょうから、1年くらい過ごして本当の絶望を味わっていくことになるのではないかと考えています。
私はこのように絶望論を書いていますが、頭の中で組み立てた理屈だけであって、心はまだ絶望しているわけではないのですが、そう遠くない将来自分自身の血も心も絶望を味わうことになるでしょう。
4軒となりの送り出し機関の話
会社の4軒隣くらいに別の送り出し機関の本社があって、ブローカー日本人が結構中抜きしていて好きではありませんが、毎日7時半ピッタリに日本語教師たちが乗ったバスが離れたところにある教育センターに向かって出ているのを見ていました。
しかし先週あたりからバスも出なくなって、本社のシャッターも閉まっていることが多くなったので、どうなったんだろう?社員旅行にしては長い気がする。
送り出し機関はどこも厳しいでしょうね。
Go Toトラベルで外国人材業界(特に送り出し機関)に完全にトドメ
コロナにトドメを刺してくれよ~!と泣きたくなります。
正気の沙汰ではありませんね。もはやギャグです。アメリカのトランプやいろんな知事や市長のことを見て「アメリカじゃなくてよかった~」と思っていたら、日本もやはりミニアメリカみたいな感じです。
コロナへの対処で業界ごと、それに君臨する大物政治家たちでまとまりがないのでしょうね。
Go Toトラベルによって、培養されたコロナが各地へ広がっていくでしょう。
「日本人死なないからいいじゃないか。風邪と一緒」
という人もいるのですが、たとえ日本人にとって風邪と一緒でも外国ではパタパタと人が死んでいるので、そんなコロナ蔓延国との出入国を再開したいという国がどこに出てくるでしょうか?
技能実習生の入国は早くて10月、遅くて来年のオリンピック後と考えていましたが、コロナの蔓延で結局はより厳しい非常事態宣言をすることになって経済にトドメをさされてしまい、今後の外国人労働者などの入国は永久にないかもしれませんね…
タイ国際航空が10月24日まで日本便の運休を決めたので、ベトナムもそれに続いて10月も飛ばないでしょうね。
出入国を再開するための日本がとる選択肢は3つ。
シナリオ1.ベトナムや台湾、NZ、タイなどのコロナ撲滅国への出入国はあきらめ、アメリカやヨーロッパ、フィリピン、インドネシアあたりの蔓延国同士で緩和する。べとナムは当然そんなところに人を送り出せないので、同じ蔓延国のインドネシアあたりからの人材が先に入国するかもしれない。
シナリオ2.もう一度非常事態宣言。前回の反省を踏まえて今度はトドメを刺すくらい激しくして、3~4カ月。そこから0になるのに追跡体制が整っていればもう2か月。そこから30日間ゼロにすして、かかるのは7~8カ月。
非常事態宣言が8月1日から出たとすると、やはり3月か4月。8月は夏休みでGo Toトラベルキャンペーンのまっただ中で、9月にすると、4月か5月だけど、感染者が爆増しているはずなので、非常事態宣言の期間ももう1~2か月かかるかもしれない。そうすると5月~7月くらいかな。
シナリオ3.もう非常事態宣言はコリゴリだということで、韓国式でロックダウンをしないで検査追跡体制を整えて感染者を減らす作戦をとるかもしれない。そうすると非常事態宣言より長くかかり、2月からやっている韓国も今でも日に50人くらいで、台湾にも拒否られて出入国の緩和はなかなかしてもらえていないので、日本も5カ月後の12月くらいにも50人程度にできても出入国の緩和はしてもらえない。
そこからゼロに張り付かせるためにさらに6か月かかるので、現在検査追跡体制が整っていても1年近くかかる。
残念ながら韓国のような体制が整っていないので、それを整えるのに2か月程度かかったとして、13カ月。来年の8月か。非常事態宣言なしでこんな早くうまくいくとは思えないので来年の年末頃と覚悟しておいた方がよさそう。
完全に終わったな。
うちの会社では2年間我慢しようという話はしていたのですが、2年で済まないな。経済的なダメージも相当大きくなる。
最近は送り出し機関にも国内にいる外国人を紹介してくださいという連絡が来るようになった。
SNSや外国人材業界のブログなどを読んでいると、「10月には入国再開を期待…」というような記事を見かけます。
なぜ悪いことは底を打って、これからよくなると期待できるのだろうか?まだ試合は始まったばかり。コロナ封じ込めに成功しているベトナム政府ですら、まったく油断していないし長期にわたるものだと考えている。
最近日本の人材紹介会社から「日本にいる外国人を紹介してください」や「技能実習生修了者を紹介してください」という内容のメールをよくいただくようになりました。
OTITの各国の送り出し機関リストを片っ端から送ったと思われるものや(国名が間違っているのもあった)、BCCで送られてくるのもあった。一応返信はしましたが、相当の数の送り出し機関からの返信が来ると思うので、お付き合いに発展する可能性は低いですし、手を出すべきかどうかと考えると、私は否定的です。
日本にいる外国人を紹介するのはできないことはないですが、よその会社で働いている人を辞めさせて引き抜いていく行為なので、法律がOKでも送り出し機関の立場でそれに手を出してしまうのは法的にもお客さんからの信頼という視点からもどうかということと、Facebookでもちょくちょく本人不在でブローカーとブローカー同士が「売ります買います」的なノリでそういう情報交換が行われているので、手を出したとしてもメリットがあるのかどうか。
ベトナムから送り出す場合は面談を重ねて本人の性格や想いなども確認しているのを、日本在住だとそれがやりにくいのでどんな人かよくわからないことや、面談を重ねて紹介しても面接に現れるかすらもわからないし、面接で決まったとしても、やはり別の会社にいくことになって音信不通になったりなど手間の割に得るもの少なく、そもそも有料職業紹介を持っていないのに日本でそんなことをしても良いのだろうかという疑問も浮かびます。
日本にいる外国人を探すんだったら送り出し機関に頼むよりも、国内でベトナム人を採用したりしてやったほうが精度が高いのでは?と思います。
察するに、日本の外国人材の人材紹介会社や登録支援機関や監理団体もコロナ禍で入国できず厳しいため、国内にいる外国人で回していきたいという流れを感じます。
前から予想してきた通り、ビフォーコロナとアフターコロナでは外国人材業界は変わっていきます。コロナ禍で帰国できなかった人たちが本人の意思とは別に長期滞在モード、状況によっては永住モードになりかねないため、短期的には海外からの送り出しなどいらなくなっていくのではと思います。
野球でいえば、2回の表
私の勤務している送り出し機関のように人材業界にとっての関心は
「いつから入国再開できるか?」
ということだと思います。
ただし、この考えは、もう底を打った。最悪を乗り越えたという考えが背景にあります。
アメリカの状況を野球に例えた人が、「野球でいえばまだ二回の表」と言っていましたが、それは世界にとっても同じで、日本も例外ではありません。
現在封じ込めに成功したベトナムや台湾でも油断は許されないでしょう。
収束を見越して募集や面接などをしている会社もありますが、まだ二回の表ですからどうなるかわかりません。
野球の2回の表が私にとってよくわかりにくいので、ラグビーに例えるとまだ開始13分弱です(試合時間80分)。まだお互いに様子見で、物語も始まっていないような状態です。
日本の失業者はまだ少ないですが、休業補償などいろいろな制度があってのもの。東京で感染者100人を超えたりしていれば、もう一度非常事態宣言を出すか、出さなくて「数字は増えているが完全にアンダーコントロールです」とごまかしたとしても、自主的に自粛しする層も多いでしょうから経済はなかなかフル稼働はしません。
非常事態宣言前から大打撃を受けた飲食やホテル、あらゆるサービス業は今後さらに多くが吹っ飛んでいくでしょう。風は吹き始めたばかりですから。台風にたとえると、吹き始めてとなりの家のトタン屋根を引っ剥がしたくらいの状況で、嵐は一晩やみませんし、やんだあとにも洪水や地滑りなどの災害がついてまわるでしょう。
こんな否定的なことばかり書いているのは、「我々はいったいどうなるのかしら?」という考えを一応どこかにぶちまけて思考や心の準備をするためです。