ベトナム人技能実習生で働く日本人が、「送り出し機関の評価サイト作ります!」という人へのグチにつきまして

SNS見ていると、またアホな小僧が「送り出し機関の評価サイト作ります!」とか言っていた。

知らない人に「アホな小僧」というのも申し訳ないが、正直こういうのはうんざりしている。この人は違うかもしれないが、そもそも「送り出し機関の評価」などという上から目線というのも腹が立つので、アホな小僧と呼ばせてもらいます。

そもそも何で送り出し機関の評価サイトなの?

普通の企業は送り出しの前に監理団体とか人材紹介会社と契約するでしょ。企業と直接関係ある監理団体とか人材紹介会社とかの裏の顔含めた評価サイト作れやと思います。

まともな監理団体の定義にもよりますが、まともな監理団体にはまともな送り出し機関がついているはずです。

にもかかわらず送り出し機関の評価サイトを作りたがるのは、送り出し機関なら営業に困っているはずだから金取りやすいとか簡単に考えているのではないかと疑ってしまいます。

どういう基準で評価するのか?

技能実習とかだと何かあると送り出し機関が悪質だからということにされて、実際そうなんですが、腹たつのが悪質監理団体のクソジジイとかも自分たちのことは棚に上げて「送り出し機関が…」とか言う。

そもそも「良い送り出し機関」と「悪い送り出し機関」の定義は何でしょうか。

私が日本で監理団体をよく回りますが、かなり上から目線に

「通訳無料で派遣してくれるのは当然でしょう。他のところはやってくれているよ」

「毎月監理団体に代わって企業を回りのは当然でしょう。他のところはやってくれているよ」

「失踪補償するのは当然でしょう。送り出し側の責任でしょう」

「航空券代やホテル代を出すのは当然でしょう」

「教育費や監理費はいらないよね。他のところはそうしてくれてるよ」

「ウチは日本語学校も運営していて最近募集が厳しいから、実習生1人採用したら留学生1人連れてきてね。交換条件」

などなど平気で言ってきます。こういうジジイ共(若いのもいますが)にとっては、こういうのをやるのが「良い送り出し機関」、断るのが「悪質送り出し機関」のようです。

こういうところは自分の責任を果たすつもりがなくトラブルの匂いしかしないため、こちらからお断りです。

私は日本人なので、キックバックの話は出てきませんが、ベトナム人が相手だとキックバックくれるの当然でしょう?みたいな話になるようです。

それでいて、「送り出し機関が実習生からとる手数料が高すぎる」と言っているのですが、お前らがこんな要求してくるから高いんだよ!と思いますが、そういうのを理解できるオツムを持っていないようです。

こういう監理団体の連中はアホなので、送り出し機関のグループ企業の会長や政府の役人が出てくると自分が何者か偉い人になったかのような錯覚を起こしたり、豪華なオフィスに連れていかれたり、実際にその送り出し機関の施設かどうかもわからないすごい施設や学生を見て、「これは素晴らしいところだ」などと思ってしまう。

そういう監理団体が契約しているところは、業界の方なら誰でも悪質だとわかるところでも、そんなこともわからないので「すばらしい送り出し機関」とウェブに写真つきで上げて、「悪質送り出し機関はいろいろあるが、ウチの使っている送り出し機関は手数料は法定通り」などと言っていたりします。

いくらベトナムの物価が安いから「ベトナムの物価は安いんだから送り出し機関なんか10万ももらえれば御の字だろうが」という人もいますが、我々はブローカー業のようにピンハネだけしているわけではないためいろいろ経費がかかります。

ベトナムだけで仕事しているわけではないので日本の物価並みの費用はかかるし、こういった監理団体の要求をまともにやれば、巨額な費用がかかります。それでいて、法定手数料通りだと信じているのは、どれだけおめでたい連中だと思います。

彼らにとっては、こういうことが当たり前で、これをやってくれない送り出し機関は「悪い送り出し機関」「低レベルの送り出し機関」なのかもしれません。

うちはこのうちのどの条件も満たしていないので、クソ監理団体からは「ダメ送り出し機関」と烙印を押されているかもしれないし、顔みればだいたい「ここはダメだ…」と思っているのがわかります。こちらも「こんな監理団体はダメだ」と思ってブラック監理団体リストに入れているのですが。

しかしそのおかげで、うちの会社は素晴らしい監理団体と一緒に仕事ができて、お互いに協力しあえるところばかりでありがたいです。

誰に評価してもらうかによって結果が180度でも変わってしまうのに、アホの小僧にこういうの見分けられるんですか?という話です。

 

いままでも送り出し機関の評価サイトみたいなことをやっていた連中がいたが、全員悪質ブローカー

以前、ひさけんという「ベトナムで起業」と言っている若い男がいて、今年の6月にスタバでGrabのドライバーをバカにしてベトナムで炎上し、彼の事業も送り出し機関を通して、外国人材から金を巻き上げるブローカーだったことも同時期にバレて、2重に炎上していたことがあります。

彼のビジネスモデルはブローカー業だったことが残念でしたが、実習生や送り出し機関、監理団体、企業が4社で評価し合うようなところには、最初私も期待していましたが、炎上により退場になっていました。

両方の炎上事件に対して謝ってまっとうなやり方で再起という方法もあったのでしょうが、黙って姿をくらましました。自分があの立場だったらメンタルやられて謝る気力もないと思います。

アレが、視察に1社連れて行ったら10万円、ひとり入国したらウン万円みたいなビジネスモデルではなく、送り出し機関からの広告出稿みたいな感じだったり、コンテンツを充実させてGoogleの広告あたりからの収入で賄うようにすればまた違っていたのに残念です。

自分の行動がどんな影響があるのか全くわからないまま参入した悪い例ですね。個人的にはひさけんさんとは会ってお話してみたかったですが、現在はハノイにいるのか消息不明です。

もうひとつ、「良い送り出し機関リスト」みたいなのを売っている人がいますが、これも基準は何かと言えば、その人に金払ったかどうかです。金払えば「良い送り出し機関」。グッドデザイン賞みたいなものですね。

金払うのを断ったら「ダメ送り出し機関」「悪質送り出し機関」などと烙印押されるのかわかりませんが、いずれにしてもこんな連中に評価などされたくないものです。

時々ネットみていると送り出し機関の紹介サイトなどがありますが、これは掲載されている送り出し機関とどういう関係なのかと疑います。ほとんどが複数の送り出し機関と契約して、視察がきたらいくら、人材が採用されたらいくらというブローカー業だと思いますので、送り出し機関の評価としてはアテにはならないと思います。

 

マネタイズどうするつもりなんだ?闇落ちするなよ。

評価サイトの対象者をベトナム人と言っていますが、制度もわからんアホな日本人がやったところで見向きもされないでしょう。このSNSで情報あふれるベトナムでちっぽけな1サイトにどう振り向いてもらうつもりなのか。

ボランティアでコツコツ続けるなら理解できますが、それを事業にするにはどこかからお金を取るしかありません。ベトナム人のサイト訪問者も少ない、情報の信憑性すらないような状況で、自然とサイトの対象者が何も知らない新設監理団体、新規参入の人材紹介とかにならざるを得ないでしょう。そういう人たちも振り向いてくれるかわかりません。

そのうちどん詰まりになって、でも情熱はあるので事業を継続させたいとなれば、たどるみちはひとつ、ブローカーへの闇落ちしかありません。

 

お前みたいなアホ日本人を手の平で転がすことに長けている送り出し機関をどう評価するつもりなのか

例の良い送り出し機関リストを売っている人は100社回ったそうですが、回ったくらいじゃ、何もわからないはず。

その会社では「いい送り出し機関」の条件として、下記のことをあげていてツッコミどころしかありませんが、こんなことですら、ちょっと訪問したり人のウワサを聞いた程度ではわからない。そもそも本当かどうかなんて、自分で入社して半年から1年、あるいは数年しないと見えてきません。

例の小僧は送り出し機関に1年間とか入社して潜入調査して100年くらいかけて100社くらい回って欲しいものです。

念のためなぜこのような基準がアテにならないのか、赤字でツッコミいれてみました。

・送り出しライセンスの保有

→ライセンス持っているかどうかなんてどうやって見分けられますか?全く別の会社でライセンスを借りて事業を行っているが、ライセンスを持っている会社の名前を使って営業している場合は見分けがつかない。また、「グループ会社です」と言われて信じている監理団体たくさんあります。


・日本人役員・経営幹部の在籍

→「日本人役員」というのは99.9%悪質ブローカーですね。一人当たり1000~3000ドルで契約している連中です。全部実習生から出る金です。「日本人経営幹部」に至っては、新入社員でも「部長」とか「副社長」という名刺持たされている場合がほとんどです。日本人社員は悪質さに耐えられなかったり成果出せなかったりなど様々な理由ですぐに退職します。

・常勤日本人日本語講師の在籍

→日本語教師の資格を持っているかどうかも重要です。日本で行き場を失ったクソジジイが授業とはいえない授業、お話会にもなっていないことをやって逆にマイナスの減少を起こしている場合も多々あります。

・教育に関する独自の取り組み

→これも下の方でグチっていますが、自分で語学を習得していない人はすぐに動画だのアプリだ、独自教材だ、会話が多いみたいな表面的ことで評価しますが、外国語学習初期段階で必要なのは繰り返しのみ。繰り返しトレーニングを中心に、練習試合で成長を確認できたり楽しい時間を作ることも大切ですが、語学習得の基本は地道な繰り返しトレーニング以外にない。

・教育センターの有無

→そりゃそうでしょうが、案内された施設が自分の教育センターかヨソの教育センターか見分けがつくんですか?


・5Sへの取り組み

→どこも5Sっていっていますよね。念仏と同じだと思いますが。日本人でも整理と整頓の違いわかってますか?日本でS活動とかで成果を出している製造業の話を聞くと、5Sは多すぎる。3Sで良い。2Sでも良い。と言っていました。5つだといろいろありすぎて違いがよくわからないので徹底できないが、2つでも3つでも徹底することが大切と言っていました。

・常勤駐在員の割合

→これもどうやって確認するんですか?駐在員いますというところはいっぱいありますが、たいていただの日本在住の友達とかブローカーとか、掛け持ち。常勤が本当にいたら大したものだと思いますが、本部側と一枚岩となって仕事をする人だろうかというのも大切です。

そもそも駐在員に何をやらせるつもりですか?私の経験では駐在員の有無を条件にしてくる監理団体は、監理団体の仕事をするつもりがなく自分は監理費だけとっているところが多く、まともとは言えない監理団体ばかりでした。まともなところは、日本側に来たら監理団体の責任なので自分たちでやりますが、協力してくださいというところで、そういうところにもっと協力できるように近い将来駐在員を置きたいと考えています。


・昨年度実績人数
・実習生からの口コミ

→もう疲れたのでやめます。

 

 

外国人材関連で他にもうんざりしている事例

 

・「ITの力で外国人雇用のイノベーションを起こします!」

誰も見ない求人サイト作ってるだけだろうが!

・「オンライン日本語事業立ち上げました!」

なぜ日本の「オンライン学習」というと、バカの一つ覚えみたいに動画サイトやアプリや1対1の会話練習なのか。少しは海外のMOOCとか見習え。海外のMOOCは動画見るだけじゃなくて、宿題とか課題が山ほど出てそれを通して自分の血肉になる仕組みがある。オレの通っているところは動画すらなく、すべて自習&課題&ディスカッション&テストです。

日本人の英語習得でも、動画とかアプリとかスカイプ英会話とか昔から星の数ほどあるけど、日本人が英語ができないとか下手くそなのは相変わらずです。

こんなものは語学の習得に全く役に立たんと言ったらいいすぎですが、あくまで使い方次第で、「みんなの日本語」1~2冊にとって代われるものではありません。要は教材の良し悪しではなく、使い方次第です。

そのようなプロセスには目を向けず、小手先の道具ばかり作ろうとするのはうんざりしています。

 

グチってしまいましたが、私もベトナムだけで300以上もある日本側をうんざりさせている送り出し機関のひとつで働いているので、「お前みたいなのが」と言われるのは承知していますが、今回は視点を変えて、送り出し機関側から見たうんざりしている事例です。