ベトナム人技能実習生送り出し機関で働く日本人が、はじめてテト(旧暦の正月)を体験した件につきまして

ベトナム歴3年ですが、毎年テトは日本に帰っていたので、恥ずかしながら一度も経験したことがありませんでした。

今年も日本への出張を入れたいタイミングだったのですが、「実家でテトを過ごさないことはまかりならん」とお達しを受けたので、飛行機を2回乗り継ぎ、24時間近くかけてハノイに戻ってからすぐに車で二時間の嫁の故郷へ行ってきました。

印象としては、「日本の正月と変わらないな」という感じでした。

時間がゆっくり過ぎて、食っては休み、親戚が来たり、親戚の家に行ったり。

ただ、親戚の数が多いのが日本との違いのように思いました。

 

お年玉について

帰国したのが大晦日で、元旦は8時くらいまで寝ていたのですが、起きるともう親戚がたくさんいて、子供も4~5人。

お年玉をあげるのですが、小さい子供だと20,000ドン(100円)くらいで、年齢に合わせて50,000ドンや100,000ドンになり、それぞれは安いですが、人数が多いのでトータルではかなりかかったのではと思います。これは妻に任せていたのであまりよくわかりませんでしたが、子供だけでなく、親世代、じいちゃんばあちゃん世代にも渡していたようなので。

子供へのお年玉は、数が多く気軽に渡すので、日本のお年玉というより、アメリカのハロウィーンで子どもにお菓子をあげるような感覚に近いと感じました。

 

ベトナムの正月の食べ物について

正月料理はほぼ下のリンクの記事通りでした。ほぼ違わないメニューでした。

www.n-liner.jp

 

日本とは全然違うのですが、チマキみたいなやつが日本のもちっぽい。もち米に豚肉や豆などが入っているのですが、それを砂糖につけて食べると、茹でたもちをきな粉につけて食べているような気になります。

最近、この茹でチキンのおいしさもわかってきました。鶏肉を丸ごと茹でてぶった切っただけの料理で、ベトナムに来たばかりの頃は美味しいとも思わなかったのですが、最近は鶏の味がして美味しく感じます。

大事なことなのでもう一度言います。「鶏の味がしておいしい」のです。今まで日本で食っていた骨のない鶏肉を唐揚げなど料理した場合、調味料の味はして美味しいのですが、鶏そのものの味を果たして良く感じているかといえば、そうでもないように思います。

やはりこの骨ごとじっくり茹でられた鶏肉というのは、鶏ガラを含め、鶏のエキスが十分に出ているのではと思います。炭火でじっくり焼いたのも多分そういうのでうまいのではと思います。

テレビで見ましたが、レモンの使い方も、日本人は果汁だけ使うのでブラインドテイスティングでは酢と違いがわからない人が多かったのですが、フランス人は、レモンをもみ込んで、香りの強い皮のエキスを果汁に広げてからレモン汁を使うので、風味が豊かな使い方をしているようです。

これと同様で、肉も日本のように薄切り肉や骨なし肉が多くなっているのは便利は便利ですが、素材の味を生かしきれていないところもあると思いました。

 

酒はタップリ飲まされるの?

毎年、正月には酔っ払い運転などが原因でたくさんの人が死ぬので、日本でのハードな出張を終えて、普段ならこれだけでクタクタに疲れるのを、24時間以上かけて移動した挙句、酒飲まされて本当に死んでしまうのではないかと恐れていましたが、そんなことはありませんでした。

朝や昼から乾杯することはありましたが、飲まなくても何も言われないし、少しずつ口をつけている人も多かったです。

ただ、妻の姉や妹の旦那たちのヤバそうな飲み会に誘われて、断ったのですが、翌日姉の旦那も妹の旦那も死んでいたので、断ってよかったです。こういうのは断りずらいものなのですが、妻も行ったらヤバイということはわかっていたので、鉄壁の防御で断りました。

 

なんとなく懐かしい雰囲気

日本の正月とは寒さも違うし雪もないしで雰囲気は全然違うのですが、いつか見たような風景や空気を感じました。日本でなのか、ベトナムなのか他の国なのかはわかりません。なんとなくデジャブ感がありました。

妻の実家は田んぼに囲まれた小さな村ですが、私の日本の実家もだいたいそんな風景でした。違うのは、日本の田舎では人を見ることはあまりありませんが、ベトナムの田舎は、特にテトはたくさん人がいました。こういう田舎にたくさん人がいる風景というのも懐かしく感じる理由のひとつだと思います。こういうのがなくならないで欲しいですが、なくなっていくんでしょうね。

 

親戚や近所の人たちの稼ぎっぷりはどうか

普段田舎には車はほとんどいませんが、さすがに正月なので都会に住む家族の高級車をちらほら見かけました。

姉の旦那は最近豪邸を立てたばかりで、その一緒に商売していてもっと稼いでいるお兄さんはハノイに100万ドル(1億円以上!)の土地をかって、そのうえに50万ドル(5000万以上!)の家を建てるそうです。

韓国と商売している嫁の同級生の女性も羽振りがよさそうで、私はベトナム人よりも高めに給料をもらっていますが、稼ぎが少なくて恥ずかしいと思うような状況はありました。

義父はこんな稼いではいませんが、今ベトナムは豚の病気などで鶏肉が高くなっていて、鶏一匹20ドルで売れるそうで、鶏の増産、いや、増育体制を作っていました。1羽育てるのにいくらかかるのかわかりませんが、今100羽くらいいて、また100羽追加するようなので、半年で200羽とすると、20x200=4,000ドルで、1カ月に700ドル近くになりますね。この他にアヒルも100羽くらいいました。

コストもかかっているので、全部が稼ぎになるわけではありませんが、田舎でも物価も上がり、それに伴い稼ぎも上がれば、手取りで10万いくかいかないかのような日本での仕事の魅力は着実に減っていきそうですね。