ベトナム人技能実習生送り出し機関で働く日本人が、特定技能が進まないのは、業者側が特定技能の見方を間違えているんじゃないですか?と思う件につきまして

特定技能がなかなか進まなく、これからも爆発的には伸びないと考えていますが、それは見切り発車の制度だからとか、受け入れ企業が様子見とかではなく、業者側の考えが甘すぎることや現実を認識していないからではと思います。

 

いろいろな業者と話していますが、ダメな業者がほぼ共通していることとして

1.特定技能は技能実習のように初期費用がかからない(手数料もチケットも教育費もすべて人材側が負担)

2.直接雇用なので、支援費も少なくできる

3.技能実習はひどい制度だが、特定技能はまっとうにやれる

というのが多いですが、全部間違っていると思いますし、この認識を持っている以上は、特定技能は増えないし、増えたとしても技能実習以上にトラブルが続出してくるでしょう。

特に1の「特定技能人材はタダ」という日本の業者側の認識です。

どこをどう考えたらこのような認識が持てるのかは全く謎ですが、思い込みなのか、期待なのか、事実の認識からの逃避、送り出し国の状況をよく知らないか、海外人材や送り出し国をバカにしているのか、あるいはそのすべてではないかと思います。

初期費用がかからなかったら、海外から募集してきたり教育してくるコストはどこから出るとお考えでしょうか?特定技能人材本人?それでしたら技能実習と問題の構造は全く一緒になるので、3の問題にもつながってきますし、そもそも大金はらってわざわざ長期間勉強してN4や技能試験などハードル乗り越えようとする人なんかまずいない。そこのところを全くわかっていないですね。

給料が同じくらいなら、より早く行けて、より長く働ける技能実習選ぶのが当然です。

お金がかからないどころか、特定技能は介護実習生と似たような条件なので、結構な額の教育費を支援しないと集められないだろうし、送り出し国へ監理費に代わるような取次料など納めなければ行く人少ないでしょう。

こういうのを、送り出し機関やベトナム政府が欲かいているとか言う人がいますが、当然の対応でしょう。

特定技能に行くのは、技能実習2号修了者か、留学して日本で就職できなく、もう一度日本に行きたいと考えている人以外、ほぼいないと思います。

そういう人たちは数十万円くらい払ってでも日本に行くとは思いますが、それでいいんでしょうか?

また、今は特定技能に力を入れている日本の業者もロクなところが少なく、送り出し機関は力を入れていなく、求人も少なく募集は容易ですが、本格的になってきてまっとうな日本の人材紹介企業がまっとうなビジネスモデルで参入してきたときに、全然募集できなくなると思うんですよね。

まあ、こういう連中は持続可能性とか全然関係なくて、今稼げればいいと考えているところも多いでしょう。

こういう業者が特定技能だと踊っている中、1月も80弱の監理団体が許可を取りました。技能実習を悪く言う人は多いですが、こういう人たちの方がよほど現実が見えている人たちだと思うんですよね。