ベトナムの送り出し機関で働く日本人が、藁にもすがる思いで欲しい監理団体との契約をお断りすることにした件につきまして。

かなり前に訪問した監理団体から久しぶりに連絡があり、今までベトナムの送り出し機関には何度も高額な手数料を実習生から徴収されて失踪者もでて裏切られたが、私の勤務先が手数料を法定通りにするなら契約したいとのお話でした。

手数料に関してはもともと守っているので問題ないので話を進めていたところ、最後の最後に失踪補償やそのための裏の覚書の話などもも出てきたため、社長と相談してお断りしました。

多分他の送り出し機関で組合との協定を断るなんていったらクビだろうし、前勤務していた送り出し機関でも、トラブルが予測できるにもかかわらず目の前の契約や金を優先するため断ることなどできなかったと思いますが、今の会社はそういうところは一緒になって考えてこういう決断も許容してくれます。ここぞというときにコロナで打撃を受けたので、経営的には大変ですが。

技能実習に関わるすべての人にとって一番嫌なのは失踪だと思うのですが、手数料を適正にしたり教育に力を入れても本人も受け入れ企業の社員含めて全員人間なのでコントロールできないところは多く、実習生も受け入れ企業の人もお互いが外国人ということもありどこかでドカンと問題が発生することがあります。

失踪補償や覚書は法律でも禁じられていますし、いろんな大小の問題が絡み合ってということもあるので、実習生と企業のどちらが悪いかなど白黒つけられるわけでもありません。

それに失踪補償や覚書などはしないと、他の監理団体とも約束して契約してもらっていて、失踪など起きないようにお互い協力関係を築いていけるよう取り組んでいるのに、例外を作ってしまったら裏切り行為になってしまいます。

もしそういうことをしていることがバレてしまい、勤務先がライセンス停止になったり、メディアやSNSで名前が出ることになってしまえば、他の監理団体や企業も巻き添えにしてしまうことにもなります。

まだうちの会社は多くの監理団体と契約しているわけではないですし、今新規の仕事のないこの時期ですから藁にもすがりたい気持ちはありますが、これはお受けできないなという結論です。