ベトナム人技能実習生の送り出し機関で働く日本人が、人は見た目で判断できないと感じる件につきまして

実習生の面接のときは、日本語も全くできない状態なので、通訳を通していろんな質問をしても、内面まではわからず、これから日本語がどの程度伸びるのか、仕事への姿勢はどうかなどは、印象で判断されることが多く、聡明で利発そうで素直な笑顔がある人から採用されることが多いかと思います。

しかし送り出し機関で関わっていると、人は見た目によらないなというのがよくあります。

今30歳を超える女性が何人か日本語の勉強をはじめています。ベトナムは30歳でも若い感じの人が多いのですが、今勉強している人たちは見た目からして、田舎で勉強する機会もなく苦労してきたような、あんまり表情がわからない印象でした。

「これは日本語の伸びはあまり期待できないな」

などと勝手に決めつけていましたが、授業に入ってみると、学んだ日本語を使おうとか、日本語で話そうという積極性というか食いつき方がすごく、まだかなりの初級レベルですが、成長のスピードも速い。

これは男でもいえることですが、見た目ナヨナヨしていたり、オタクっぽかったり、無表情だったりする人が、授業で積極的に発言したり、ガムシャラに勉強したりしています。

逆の話でいえば、前働いていた送り出し機関では、研修センターが別の省にあって滅多に行くことができなく、面接では計算が早くて、見た目も利発そうな若い女性3人が、出国直前に会ったときは誰だかわからないくらいダメ人間のような感じになっていることはありました。

これは本人たちの問題だけでなく、教育に問題がありましたし、寮にも教室にもエアコンがなく、夜は眠れず、日中も教室に日が差すと先生も学生もグテッとなっている期間が長かったのもあります。

人は見た目ではわからないため、有料の適正テストや性格テストをやる監理団体もあります。

ついでに言えば送り出し機関も見た目で判断できないでしょう。広い敷地に素晴らしい設備があって(本当にその会社の設備なのかは疑う必要がありますが)、レッドカーペットで大歓迎を受けて、トランプ大統領になった気分で、会長や政府の偉い人だという人が出てきて握手して写真を撮ってとかで喜ぶ人もいる一方、かなりアットホームで、むしろショボそうな建物で、節約しながら真面目に取り組んでいる送り出し機関もあると思います。