日本語プラスアルファ

新しいスタッフの面接をしていると、日本語を仕事に生かすのはほとんどの日本語学習者にとっては難しいなあと感じます。

特に留学生で、4~5年日本にいて、2年日本語学校、2~3年専門学校という人がよくいますが、専門学校でも日本語とオフィスくらいしか勉強していないので、仕事の経験がない場合は採用に至ることはありません。経験があっても送り出し機関で何だかわからん仕事をしていたのを履歴書で盛っているだけだったりして、だいたい書類審査ではじくことになる。

前の送り出し機関にいたときは、書類審査させてくれと何度言っても、朝出社すると、「今日は10人面接です」となっていて、散々面接をした経験上、書類でだいたいわかる。

技能実習も同じで、N3くらいで、「N2相当」などと書いている場合が多いが、日本語はビジネスレベルには程遠い。

今までは彼ら彼女たちにも日本語教師という仕事がいろいろあったと思うのですが、今は送り出し機関も留学のセンターも募集していない。

あとはサービス業となるが、日本人観光客もいないので、日本語を使う仕事を見つけるのは非常に難しいと思います。

実際に採用を考える人は

・ある程度優秀な大学の日本語学科を卒業し、途中で留学やインターンなどしている。

・大学や短大を卒業してから日本に行って、日本語も流暢だし頭も良い。

両方とも元々優秀だった人が機会を広げているだけなのが、技能実習で将来のチャンスをつかんで欲しいと考えているのと矛盾してしまう。

先日面接した人がN1で、見た感じ明らかに常人ではないオーラが出ているのですが、その人ですら日系企業に入社するには日本語の他に英語なので厳しいと言っていました。

確かに日系企業の事務所に行ったり電話かけたりすると英語を使うことが多いので日系企業でも英語が公用語のところは多いと思います。(最近行っていないのでよくわからないが)。

留学生や技能実習生が帰国後に、日本での経験や日本語を生かすためには、やはり日本語だけでは足りない。専門がやはり必要なので、専門学校というのは名前ばっかりで、日本語とオフィスの使い方しか勉強しないようなところへは進学しない方が良い。

ただ、そういう人はそこしか入れないのでこういう学校や留学は禁止して欲しい。2年日本にいて、日本人と専門学校や大学で競争できる状態にならなければ学生ビザの更新なしか、特定技能目指してくださいで良いと思う。

若い頃の2~3年を面白い経験にはなるが、その後のキャリアに生かせないことは結構痛いと思う。なまじ日本語を5年もかけて勉強してしまったがために、プライドだけは高くなり、ビジネスレベルではない割に高い給料や日本語を使う仕事を求めてしまう。

技能実習でもパン屋開業したというニュースが最近よくシェアされていました。自営するなら、他の職種にしても左官や内装とかもしっかり身に着ければ「日本の品質」で勝負できると思う。食品製造工場などは、食品製造の会社に就職すれば役に立つが、後は何も役に立たないので「日本語のできる自分」という思い込みをいったんリセットする必要はあると思う。

本当に一部の人以外で、日本語が役に立つのは日本にいる間だけという現実はある。