日本がコロナをうまく抑えて、ベトナム航空が夏に日本路線を再開したとして、技能実習生たちは来日できるか?

ベトナム航空が6月から韓国路線を一部再開することで、「次は日本か!?」「ようやく実習生が入ってこれるか?」と喜んだ方も多いかと思います。

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 今の日本の感染者数は韓国の1カ月くらい前と似たような感じなので、1カ月後にリバウンドなしでうまくいけばこのような話も出てくるかもしれません。

ただし、ベトナム⇒韓国の便だけで、韓国⇒ベトナムの便はありません。ベトナム⇒韓国の便に観光客や留学生、労働者がいなかったら誰が乗るのかと思いましたが、ベトナム在住の韓国人の帰郷ニーズにこたえる形ではないかという話もあります。

 ただし、韓国路線でさえ今まではハノイ、ダナン、ニャチャン、ホーチミンから釜山、ソウルに毎日何往復も飛んでいたのが、ハノイ、ホーチミンからソウルへそれぞれ週2回となります。

 数えてみたところ、ベトナム航空だけで毎日18便プラスアルファで、週に130便くらい飛んでいたのが、週に4便となるわけです。

日本も毎日15便くらい飛んでいたため、再開されたとしても、週に3~4便となるでしょう。定員が220名だとすると、毎日220x15=3300人で、週に23,000人程度ががベトナムと日本を行ったりきたりしていたのが、週に660人~880人程度となります。

今まで待機になっていた実習生数万人が一気に来れるとは考えづらいです。むしろ、単純労働者ではなく、専門家レベルの人たち限定になる可能性は大きいと思います。チケットも普段の数倍は覚悟しておいた方が良いでしょう。

現在、2か月分の技能実習生や労働者が出国待ちで、少なくとも6月末までは運休なので、3か月半分は確実に出国待ちがたまっています。1カ月7000名とすると、25000人分くらいは待っていますし、彼ら彼女たちを待っている受け入れ企業、それをつなぐ組合や人材紹介業者がいるわけです。

中間に入る組合や人材紹介業者としては、「もう少し待ってください!7月には飛行機が飛びますから!」と頭を下げて希望的観測で待ってもらっているところも多いと思うのですが、7月に飛行機が飛んだとしてもかなり難しいと思います。

このような希望的観測でズルズルと引きずるのは、関わる全ての人にとって決断が遅れてしまう原因になってしまいかねません。外国人材を専業にしている業者にとっては、新規の話も作っておかなければ後から困ることになるので、今でも新規の話をしたりウェブ面接などをしているところもあるかもしれません。これも「4月の入社には間に合います!」などと言ってクロージングしようとしている人もいると思うんですよね。生きるために。

私の勤務先も専業にしていて、前から進んでいたのが面接予定になっていますが、人材側にも受け入れ企業側にも、入国予定は相当遅れるかもしれないことはお伝えしてあります。

また、経済への影響は時差をもって出てきます。コロナ問題はまだ映画で言えば冒頭20~30分くらいのイニシエーションのところが終るか終わらないかのところでしょう。

経済の大御所たちの意見を聞いていると、6月以降に倒産が増えて、失業者が30万人や、下記の野口悠紀雄さんの予測としては、380万人の中の多くが職を失う危険があるということです。

この中は当然外国人も多く混じっているわけです。

 

自分がその場をしのぐためとか、自分の判断が遅れたために、関連するすべての人の判断がよりズルズル遅れ、地獄に引きずり込むなんてことはないようにしたいと思います。